三郷町生き生きクラブ連合会(三生連・さんせいれん)

歌 壇

山崎 千鶴子(信貴ヶ丘有隣会)

日ざし入る丸き柱の温かし萩きそひ咲く唐招提寺(おおてら)の庭

盲ひ給ふ和上の御影(みえい)かさね視る七堂伽藍寂びてゆかしき

過ぎてゆく刻の刹那を一会とし良夜きき入る清し虫の音

山も川も青く暮れゆく初秋の八尾(やつお)にながるる風の盆唄



足音なく寄りくる乙女の影優美(やさ)し踊り衣裳に匂ふ汗の香


せつせつと身裡にしみてひと恋しおわら盆唄胡弓のしらべ


うつし世の外(と)より洩るるか二上(ふたかみ)の雌雄(めお)の背てらす淡き夕月

かきつばた汀(なぎさ)に咲けば好き者と世に言ふ業平ふとなつかしき

万葉の園は風にも色のあり 寄りそひ咲ける秋の月草

天上の花籠(けこ)よりこぼるや山里の棚田を染めて曼殊沙華咲く

「はぎ乃」とふひびき優しき母の名を恋へば花野にそよぐ白萩

春日野をさまよふ鹿と分ち合ふつまなきさ夜のあはき哀しみ

「同期の桜」合唱(うた)へば戰時かへり来てせき上ぐ想ひ友と分てる

久米歌をなぞれば戰時の標語なり「撃ちてし止まむ」と一路すすみし

激動の昭和を越へて平成の終の新春矍鑠と生く

上堂の僧をみちびく松明の昇り来るをつつしみ迎ふ

あるかなき声明徐々に高まればうねりとなりて満ちゆくみ堂

覚えずも居ずまい正す二月堂五体倒地の行法とどろく

武智 美加(緑ヶ丘交友クラブ)

木曽川の流れしずかな城下町わがふるさとはいつ来ても良し

これからのわが人生はアンダンテゆるりやさしく奏でゆきたし

健在のよろこび抱き過ごしたいあるがままなるわが終章を


登りきて汗を拭いつ見上ぐれば竜田の風に合歓の花そよぐ

ピカピカにガラス戸磨けば部屋の中心の奥にも日射しがいっぱい

夫の彫りし苔むす石佛雨上がりの日射しを受けて我にほほえむ

沈めてもしずめてもなお浮き上がる生きざましかりと柚湯に遊ぶ 

睦まじくつぶら実そろう千両の朱つやめきて年あらたなる

柿若葉淡きみどりのやわらかくみどり児のごと朝日にまぶし

指さきを灰汁(あく)に染めつつ皮をむく山蕗好みし夫を偲びて

水彩画クラブの名前は「ひまわり」ですゴッホになりてひまわりを描く

ほていあおい浮かべて金魚の住み処(か)とす家族集いし大きな火鉢

坂田 和子(坂根友愛クラブ)

みどり透く羽根の熊蝉久にあふ網戸の客人(まろうど)ひとりの昼を

戦時下のさま聴かむとて山動くごとく孫らは子を連れ七人

上弦の月に照らされ曽孫ら帰りゆくグーの手さめぬサイショはグーの

三室山に家持の歌碑建ちぬを入院のわれに写絵送らるる

棚田縫いもみぢもぬひて山里の観音堂のほとけにあはむ


ゆく秋をきみと訪ひ来し聖林寺石佛招く山門くぐる

金色の豊けき面輪の半眼にゆゑなくながるるあつきなみだの

見はるかす山の辺の道、箸墓の展がる太古しみじみと秋

ひらり舞ふいろはもみぢの落し文(ふみ)等弥(とみ)の神社(やしろ)に屈みて拾ふ

春日野を神のごとくに光りつつ白き鹿ゆく如月の昼

紅(こう)ふかく幹は樹液をあげをらむさくら若木にきさらぎの雪

さみどりのリボン舞ふがに納屋隅にころぶ玉葱芽ぶく冬の日

凛として生くるはかたし佛間より匂ひたちくる水仙の花

龍田路の立野の邑(むら)に棲み旧(ふ)りて育てし白菜「黄ごころ」を抱く

山門をくぐれば馬酔木の花匂ふ伎芸天女に吸われゆきたり

ひいやりと土間踏みしむる須弥壇に伎芸天女は匂ひ立ちます

蔀戸(しとみど)の障子のあかりに声聴かむ伎芸天女の唇の紅

ほの暗きみ堂に千年項さげ語りかけらるる横顔かなし

迸る真っ赤な愛を分け給へ六臂(ろっぴ)愛染(明王(あいぜんみょうおう)は北の奥処に

白じろと満天星(どうだん)咲ける龍田越え異界に入りてわれを失ふ

去年建ちし家持の碑うたひだす初ざくら咲く龍田古道に

天空(てんくう)にむらさきけぶる桐一樹立野城址の物語りせよ

電線に二羽のつばくろ雛まもる虐待は夢鳥の世界に

一粒の種を落しぬ朝顔の花咲かせたし令和なる朝

CONTACT

会員へ
ご近所の方を誘ってください。
「入会して一緒に活動しましょう」と。

未入会の皆様へ
興味がおありの方、お問い合わせください。 
近くの支部にお取り次ぎします。
あなたの加入をお待ちします。  
PAGE TOP